学生時代に慣れ親しんだ“はんだこて”を作る会社に関心を持ち入社
私が工業系の技術に関心を持ったのは、高校3年生の進路を決めるタイミングでした。パソコンを使って仕事をしている親戚に進路の相談をした際、工業系の大学について教えていただき、まずは技術を身に着けてから将来を考えようと思いました。
白光を受けたのは、はんだこてという工具に関心があったからです。私は工業系の大学に通っていましたので、はんだ付けをする機会が頻繁にありました。その時に使っていたはんだこてが白光の製品でした。どんな会社なのか気になって自分なりに調べたり、先生方からお話をうかがったりした中で、国内シェアNo.1であることや、海外にも輸出していることなどを知り、さらに関心を深め、白光の会社説明会に参加して決心を固め、応募しました。
就活で受けたのは白光だけです。何社か会社説明会には参加しましたが、仕事の内容が自分には合わないと思い応募しませんでした。白光は、自分が最も慣れ親しんだ工具を作っていることが最大の決め手になりました。
白光の技術職は、入社から3年間は研修期間に当てられます。1年目は商品開発、2年目は自動はんだ付けロボットの専門部署であるTeamROBOHAKKO、3年目は生産ライン設計です。私も1年目の昨期は、まず本社で3週間の基礎研修を受けた後、約2ヶ月間、国内の工場でモノづくりの流れを学び、その後、本社に戻って1ヶ月間営業部にて営業の仕事の経験や人間関係を構築し、秋口から商品開発課に配属されました。
商品開発課の研修は言わずもがなですが、工場での研修も、実際にどのような作り方をして製品が出来上がるのかを理解することで、生産しやすい設計を考えることができますし、生産ラインを作る上でもどのような治具や備品が必要になるかを判断できるようになります。有意義な時間を過ごせたと思っています。
生産現場を見て意外に思ったことは、手作業による工程が多いことです。白光のはんだこてや小手先は、国内では7割のシェアを誇り、世界中の国々で使われています。入社するまでは生産工程も自動化されているイメージを持っていました。実際の生産現場で、1つずつ手作業で作っている様子を見て非常に驚きました。手作業で、これだけの品質を出せることがすごいなと思いました。
卒業制作の失敗を教訓に、導入後に起こり得るトラブルを想定して設計
商品開発課では主に製品検証に携わりました。既存の製品に関するお客様からのお問い合わに沿った検証試験と、社内で開発中の新製品の性能テストです。お問い合わせも導入済みのお客様からのものと、導入を検討しているお客様からの2通りがあります。使っている際に発生した不具合に関する調査や、導入前に性能を確認するための調査などです。
新製品に関しては、検証データを集め、開発を担当している先輩に報告する仕事がメインでした。ただ、検証してデータを集めるだけで、私自身が理解できていないのであれば意味がありません。そこで検証データを報告する際に、私なりの改善提案も添えて提出するよう、心がけました。中には思い入れの深い製品もありました。試作段階からある機能を検証するよう指示されたのですが、時間がかかる案件で、その検証は発売後も検証しながら改善を繰り返しています。それだけ関わった製品ですので、東京の展示会に行った時に、新製品として展示されている様子を見た時は感無量でした。
2年目の今年は、4月から自動はんだ付け装置の専門部署であるTeam ROBOHAKKOに所属しています。こて先やホットエアーという製品に装着するノズル、自動機に基板を固定するための治具など、お客様からの特注品の図面作成を行う他、工場での自動機の生産にも携わっています。
製品設計で意識していることは、実際に現場で使う際に起こり得るトラブルを、あらかじめ想定した上で設計を行うことです。大学の卒業制作が企業からの依頼に応えるもので、ご要望は満たせましたが、実際の現場で動かしてみたら予期せぬトラブルが発生してしまったという経験がありました。その失敗を教訓として設計に取り組んでいます。特注製品は特に失敗が許されません。気がかりなことや心配事が少しでもある時は、先輩や上司に逐一相談し、改善できるのであれば改善して、可能な限り完璧な状態を目指しています。
打ち解けやすい環境で、自然にコミュニケーションが取れるまでに変化
来年は生産設備の設計を経験し、4年目からは、適性に応じた部署に配属されます。現状では現在携わっている設計の仕事が最も面白いので、製品設計に関わっていきたいと考えています。特に自動機の領域で、他社製品に劣らない付加価値の高い製品を生み出すことが目標です。
そのためには経験を積む必要があります。特に白光が出店する展示会に行く機会があれば、できるだけ足を運びたいと考えています。どのようなお客様が当社のブースに訪れておられるか、営業とどのような会話をしておられるかを観察できますし、他社がどのような製品を出しているのかも把握できます。展示の仕方も勉強になります。お客様との関係性や他社との関係性を把握することもできる良い機会だと感じています。
また先輩方のアドバイスも貴重です。白光にはベテラン技術者も数多く在籍しています。そのような先輩技術者から製品開発の経緯や、どのような構造かを教えていただくことは、今後の自分の業務にも生きてくるでしょう。
私は入社して1年ほどしか経っていませんが、この間、コミュニケーション能力が身についた実感を持っています。学生時代の私は、友人たちと積極的に会話をするタイプの人間ではありませんでした。しかし仕事をし始めると、コミュニケーションスキルの重要性が増してきました。そのため意識して人に話しかけ、報告を怠らないように意識してきた結果、最近では自然に人に話しかけられ、円滑にコミュニケーションが取れるようになりました。
このような変化には、社内の人間関係が影響していると思います。入社当時はこちらから話しかけることはほとんどありませんでしたが、皆さんの方から話しかけてくださったり、教えてくださったりして、すぐに打ち解けられました。非常に働きやすい環境だと感じています。
私は工具に関心を持ち、白光という会社の存在を知りました。はんだこてだけではなく、電気や電子などの技術領域に関心がある方はぜひ、会社説明会に参加するなど、私達が働いている現場を覗きに来てください。