月の4分の3は海外。国内営業で培った人脈や経験が海外営業にも活きている
私は大学時代、異文化コミュニケーションを学ぶ学部に属し、9ヶ月間アメリカに語学留学をした経験があります。就活ではその時に学んだ英語を使える会社を希望して探し、白光にたどり着きました。
もともとDIYが趣味で木工や家の修理をするなど、技術全般が好きだったこともあり、自分にマッチしていると思ったことも白光に決めた1つの理由です。入社後は研修で身につけたはんだ付けの技術を活かし、子供のおもちゃや家電の修理もしています。
白光ではまず製造部に配属され、4年間、堺工場で生産ラインの管理などを経験しました。その後、国内営業に7年間従事し、6年前から海外営業を担当しています。
国内、海外、ともにエンドユーザーは工場です。ただし当社は基本的にエンドユーザーと直接は取引していません。お問い合わせをいただいたり、展示会でお会いしたお客様に対し、代理店や販売店の営業担当者と一緒に訪問し、商品説明をしたり、課題解決の提案をしたり、技術指導をしたりするのが、当社の営業のメイン業務です。
その中で海外営業は現在、注力しているのは東南アジア市場の開拓です。海外の売上比率が高い国はアメリカと中国ですが、それぞれ、売上比率が高い分、現地法人を中心とした営業体制が確立されています。それに対し、東南アジアは日系企業の進出も多いエリアでものづくりが非常に盛んなエリアで国内の経験も生かしやすいエリアです。私達白光本社の営業マンが、現地の代理店と提携し営業活動を行っています。月の4分の3は海外に出張しています。
もともと国内営業と海外営業は別々の部署でしたが、約1年前から統合し、連携を深めています。近年、日系企業の東南アジア進出に伴い、同じお客様の国内拠点と海外拠点で営業先が重なることが理由です。同じお客様に同時にアプローチし、情報共有できていなければ無駄も増えます。そこで現在は東南アジアに進出しているお客様は、海外と国内を分けずにアプローチしています。私が国内営業をしていた時に日本の工場で窓口を務めていた担当者が、東南アジアの工場にいらっしゃるケースも少なくありません。過去に国内営業で築いた人脈が、今は海外営業に活きています。
顧客と一緒に問題解決に取り組みながら、信頼関係を構築できるやりがい
営業をしていて感じるやりがいは2つあります。1つは当社の製品を使っていただいているお客様から直接お礼の言葉をいただく機会が多いことです。白光の製品に対する期待度も高く、「白光の製品に出会えてとても良かった」「作業がはかどり、より良い製品が作れるようになった」とおっしゃっていただける時は、大きなやりがいを感じます。
もう1つは特に自動はんだ付けロボットの営業で感じることです。私は自動はんだ付けロボットの営業も兼任しています。自動はんだ付けロボットの営業には、お客様と一体感を持ち課題解決に取り組む醍醐味があります。
自動はんだ付けロボットは、従来の手作業をロボットで再現する技術です。加熱時間やはんだを送り出す量や速さなどの条件を設定したり、プログラムを組んだりするためにも、はんだ付けの技術を理解していなければなりません。それは自分がやっている作業を数値化していく作業ですが、誰もはんだ付けをしながら今自分が何秒間こてを当てたとは考えていません。
最近の出張で多いのが、それを数値化するためのお手伝いです。お客様と一緒に条件を組んで動かしてみて、出来栄えを見ながら「もうちょっとですね」、「加熱時間をあと2秒伸ばしましょう」などと会話しながら、ロボットを使えるように調整していきます。時には技術指導が必要な時もあります。その結果、うまく行けば一緒に喜び合います。お客様との間に一体感が生まれ、強固な関係性が構築されていく瞬間を感じられることがやりがいです。
今後、当社はこれまで以上にグローバル展開に注力していきます。特に東南アジアを強化するとともに、経済発展が目覚ましいインド、ヨーロッパでのシェア拡大を目指しています。海外はローエンドからハイエンドまで、競合メーカーがひしめいています。その中で当社は、産業機械や自動車、家電などの生産に適したミドルレンジを得意としており、品質とコストのバランスの良さが評価されています。今はSNSの時代ですので、デジタル戦略に積極的に取り組んで強みをアピールしながら、認知拡大に取り組む必要があると考えています。
先人が築いたブランド力が強み。デジタル戦略で個人ユーザーにもアピール
近年は、これまでローエンドをメインとしてきた中国メーカーが、我々が得意とするミドルレンジの領域に参入しシェアを急激に伸ばしています。後発組のメリットである価格競争力を強みとがむしゃらな営業スタイルが彼らの強みです。そういった競合といかに戦っていくことが当社の課題です。
個人的にはすでに、出張に行った際、現地の代理店と一緒に、動画を撮影してYouTubeで配信したり、展示会でライブ配信をしたりデジタルを使ったアピールを始めており、成果も出始めています。やってみて面白かったのは、メインターゲットである工場以外のユーザーからの反響が大きかったことです。電子工作を趣味とする方や学生など、個人ユーザーがコンテンツを見て、製品を買ってくださるようになりました。その経験を通して無理に新興メーカーと張り合わなくても入っていける市場があることを感じています。
白光の魅力は、ブランド力があることです。そのブランド力とは何かというと、創業当時から先人の方々が積み上げてきたものです。海外営業をしていても、すでにお使いいただいているお客様からの信頼は非常に厚いと感じます。その分、期待も大きく、特に海外の方は言いたいことを歯に衣を着せずダイレクトに主張して来られます。そういった意見を社内の製品づくりにも活かせるよう情報を共有していきたいと考えています。
仕事をする上で大切なことは、“考える力”です。海外営業も同様で、語学以前に、物事の良し悪しを理論立てて考え、理解し、話すことができることが重要であると考えています。またどんなことにも疑問を持つことも大切です。営業の場合は特に、一昔前まではガッツがある人など、体育会系特有の精神論が重宝されましたが、今はそんな時代ではありません。物事をしっかり論理立てて考えられて、疑問を持って、意見も言えて、質問もできる。営業でも商品開発でも、そのような感性を持った方にご入社いただければ嬉しいです。